スパイ・ゲーム

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 故トニー・スコット監督のスパイ映画。レッドフォードとブラピが共演という豪華キャスト。そもそもスパイものというのはある程度面白いことが決定しているジャンルだと思うし、まあ見ていてつまらないとは感じさせなかった。時代に残る傑作!とかでは当然ないが、ちょっと釈然としない観賞後感であった。

 

 中国で女を助けようとしたところヘマをして捕まり、映画的な拷問をうけているブラットピットと、それを見捨てようとしているCIA上層部。今日CIAを辞めるところだったレッドフォードは、昔のよしみもあるのでブラットピットを助けようとがんばるのであった、みたいな内容。

 映画のほとんどが「出会いはこうだった」「こんなこともあった」みたいな回想で構成されていて、いろんな事件のいいとこ取りになっている。けど、まあ回想だし、ブラットピットもレッドフォードも現在の時制で生きていることがはっきりしているので、あんまりサスペンスとかは産まれない。だらけるわけもでもない。観客の興味の中心はブラットピットが中国でなにをしようとしていたのか?という謎解きの部分と、レッドフォードはどうやってブラットピットを助けるのか?という部分に集約される。

 

 ブラピが女を助けようとしてたんだ!というところは、なんかこう、まあそうなのか、でもこいつスパイ向いてない気がするな、という気がしてならなかった。レッドフォードがブラットピットを助けるためにとる行動はかっこよく、しかも淡々と描写されるのでそれ自体はステキだが、しかし、これ、後々問題になりやしないか、という感じもする。つまらない映画ではないのは間違いないけど、なんとなく、なんとなくっていう感じだった。

 

 

レッド・オクトーバーを追え!

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 われわれゲームオタクの間ではすごく有名なトム・クランシーという作家の有名な「ジャック・ライアン」シリーズの中でも一番有名な話っぽい。ダイハードのジョン・マクティアナン監督で、主役のジャック・ライアンをアレック・ボールドウィンが演じている。けどポスターからわかるように、ほとんど主役はショーン・コネリー

 

 話は簡単にいうとソ連から亡命しようとしている原潜をがんばって助ける、みたいな内容で、最初はそもそも「本当に亡命しようとしているのか」「ショーン・コネリーはいいやつなのか悪いやつなのか」がわかんなくて、それを主人公ががんばって推理して「これは亡命しようとしてんですよ」と仮説をたててがんばるので、真偽の程が定かじゃなくておもしろい。おもしろいが、結構あっさりと主目的が亡命であることが明かされ、どんでん返しとかも特に起こらず、追手のソ連のやつらをなんとかして、亡命が成功して終わる。

 

 できる大人たちが能力を発揮していくタイプの映画なので、大体下準備が整ったところで結果がどうなるかは目に見えてて、ちょっと弱い感じがするのだが、ちょっとした(ほんとうに些細な)サスペンスが挿入されていて飽きさせない努力を感じる。こういうのって「無理やり話を作ろうとしてるじゃん!」と感じる人もいるやもしれんのだけど、オレとしてはわりと好ましく観劇できた。アメリカは自由で最高!万歳!ソ連は管理社会!クソ!みたいな価値観が全面展開されるのもまあでも一概にスゲー間違ってるってわけでもないし、一方的すぎやしないかと思わなくもないが、娯楽映画なのでまあいいじゃん、そこはさ。

 

 ネットで画像を検索していたらアレック・ボールドウィンに「第二のトム・クルーズ」っていう但し書きがついてるポスターを見つけたのだが、そういう感じだったのか。潜水艦の中でタバコを吸いまくるというちょっとそれリアリティとしてどうなのという描写もあったりするんだが、意外と喫煙できるのかもしれないし、あとタバコはちょっとした伏線になってるのでまあよし。潜水艦ものとしてハラハラもできるし、あんまり中だるみもないのでわりと面白かった。わりと!